大脳皮質視覚野のモデリング

-  勝又詩織、我妻伸彦,酒井 宏  -


 第1次視覚野を中心とした、生物学的にリアリスティックなモデルを構築しています。第1次視覚野内部の神経回路網を計算機上に構築することにより、生理 実験では難しい複雑な実験をシミュレ−ションしようとするものです。ひとつの細胞を多数の部分から構成することによって、神経細胞の挙動を忠実に再現す る、multi-component firing neuron を採用しました。現在は、輪郭の知覚・傾斜錯視を中心に研究しています。こういった計算論的なアプロ−チは、心理物理学的な現象と生理・解剖学的知見を融 合する絶好のツ−ルと言えるでしょう。シミュレ−タ−としてはGENESIS (Caltech) を利用し、これをSGI 750 等で実行しています。下の図は、コントロ−ルパネル、単一細胞の膜電位が変化していく様子、円環を入力したときの多数の細胞の発火パタ−ン、です。