図方向選択性細胞の計算論的シミュレーション 

-  渡辺哲次、西村 悠、酒井 宏   -


 私たちは目で見ることによって物体がどこにあり、それが何なのか判断することができます。脳の中には今見ている画像や映像から、物体を抜き出す作業を担当する様々な細胞があります。本研究では、それらの細胞の中でも、物体の方向を判断していると考えられている細胞に着目しています。具体的には、その細胞の計算モデルをコンピュータ上に構築しシミュレーションをしています。
 下の図はMatlabを用いてシミュレーションを行っている様子を示しています。カラー画像が入力、グレイスケール画像が出力結果です。白熊のぬいぐるみの周りに描画されている棒の方向は、この細胞が判断した物体の方向を示しています。ほとんどの場所で人間が知覚する方向と一致しています。しかし、一致しない場所もあります。この結果から、物体方向の知覚において、この細胞がどれだけ重要なのか研究しています。